長崎くんちの演し物の中で人気の一つがコッコデショです。
7年に一度の披露と思ったら、あれ?別の踊り町がコッコデショを披露したんですね。
その理由についてまとめました。
長崎くんちコッコデショは樺島町
もともとコッコデショは樺島町の演し物として、7年に一度見物客を湧かせてきました。
樺島町が当番の年は、桟敷の予約なども人気があがったりします。
担ぎ手36人で太鼓山を威勢よく担ぐさまが人気なのですが、この担ぎ手、一般公募でオーディションで決められるんですよ。
長崎市樺島町の住人に限らず、長崎市近郊に住んでいて、練習・本番に必ず参加できることが条件です。
条件はその他もろもろあるのですが、オーディションでは面談と体力テストが行われます。
4人の子供と太鼓、カラフルな大きい座布団5枚を積んだ太鼓山を宙に放り投げて片手で受け止めるというダイナミックさ、やはり相当の体力が必要です。
この太鼓山の重さは1トンあります。ひょえ~。
▼コッコデショの重さや担ぎ手については、こちらでも詳しく書いています。
長崎くんちコッコデショの重さは大人○○人分!担ぎ手は何人必要?
『川船』とか『龍踊り』なんかは、他の踊り町の演し物にもなっているので、7年待たずとも見られるけれど、コッコデショは唯一樺島町が所有しているので、7年に1度しか見られないんですね。
2011年に樺島町が出たので、次にコッコデショを見られるのは2018年と思いきや、2016年に上町がコッコデショを演し物として披露しました。
あれ?コッコデショって樺島町だけじゃなかったっけ?
最初、私の頭の中が若干こんがらがってました笑
なぜ上町がコッコデショを披露したのか、そして演じるのに必要な太鼓山をどうやって手に入れたのか、気になりますよね。
長崎くんちコッコデショは上町もやってる?
最初にいうと、上町(うわまち)が使用している太鼓山は、樺島町のものではありません。
樺島町から借りているわけじゃなかったんですね。
では太鼓山をどこから調達したのかというと・・・
矢上町(やがみまち)というところの太鼓山を使わせてもらいました。
長崎市には長崎くんち(諏訪神社)の他に『郷(さと)くんち』という地域ごとのくんちがあるんです。
矢上町が行う『矢上くんち』では4年に一度、コッコデショを奉納しているのですが・・・
コッコデショは担ぎ手の数と体力が求められる演し物だけど、年々、高齢化による人手不足で担ぎ手が足りなくなっていたんです。
そこに上町からのお話があって、矢上町と上町の協力のもと、長崎くんちで、上町のコッコデショを披露するのが実現しました。
上町は、もともとバラエティに富んだ演し物をしていて、明治時代から、趣味趣向を変えて披露してます。
例えば、兵隊さんを題材にしていたり、鎧武者少年剣舞だったり、日本舞踊風だったり、いつも面白い演出を考えてきたんですね。
新しいことに挑戦しようと持ち上がったのが、コッコデショ。
それで、上町から矢上町にお話がいったというわけなのです。
矢上町は、これからも矢上くんちでコッコデショの奉納は続けられるそうです。その時は、上町から助っ人を出すことがお約束のようです。
- 上町は矢上町から、太鼓山を借りられる
- 矢上町は上町から、人出を借りられる
という風にお互いにメリットがあるんですね。
せっかくの人気の演し物ですから、こうして新しい流れで、受け継がれていくのは、とっても素敵なことだなと感じました。
コッコデショの踊り町どっちが正しい?
矢上町のコッコデショの形を取り入れながらの、上町コッコデショという新しいコッコデショなので、樺島町とは違ったコッコデショになります。
矢上町、樺島町それぞれが長い歴史の中で作り上げてきたものだから、どちらも正しいコッコデショです。
太鼓山を宙に放り投げてキャッチするのは、上町、樺島町どちらのコッコデショでも観ることができます。
上町コッコデショでも、奉納踊りの担ぎ手を募集しています。
長崎くんちに参加する年の1年前に募集して、体力づくりが始まるそうです。
コッコデショは見ているだけで、その熱気や迫力が伝わってきますが、あれだけダイナミックに演じるのには、長い日数をかけて、しっかり基礎作りしているんですね。
コッコデショが人気があるのは、演し物を見れば一目瞭然だし、これからは、樺島町、上町のコッコデショを交互に見られるので、7年待たなくていいというのは、とても嬉しいことです。
同じコッコデショでも、樺島町ファン、上町ファンとかあるのかもしれないですね。
私には、どっちも同じ位すごいなと思うので、甲乙つけられないです。
長崎くんちコッコデショの踊り町まとめ
樺島町唯一の演し物だったコッコデショ、上町も演じることで、コッコデショを見物できる機会が増えるのは嬉しいことですね。
せっかくなら、諏訪神社の奉納踊りで、コッコデショの迫力味わいたいですよね。
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また、長崎くんちだけではなく、矢上くんちのコッコデショもまた違った楽しみがありそうです。
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