栄養士と調理師は、必ずしも仲が悪いわけではありません。
それぞれ専門が違う為、優先順位や価値観が合わず、意見がぶつかることはあります。
その時の、コミュニケーションの取り方・互いの仕事への配慮などによっては、良好な関係を築くこともできます。
業務スキルをあげたり、理解し合う努力をしても、不仲が改善されない場合、転職することも考えてみるといいですよ。
栄養士と調理師は仲悪い?
栄養士と調理員の仲が悪い、合わない、という話はよく聞きます。
私が調理補助の仕事をしていた時、栄養士の方の入れ替わりを経験しており、2人の栄養士さんとの勤務を経験しました。
その経験から言うと、必ずしも栄養士と調理師との仲が悪くなるというわけではないです。
- 考え方・価値観の相違
- コミュニケーションの取り方
- お互いの領域への配慮
によって、関係は良くも悪くもなります。
調理師と栄養士どちらが立場は上か
そもそも調理師と栄養士は、仕事の領域が違います。
栄養士⇒栄養を考慮したメニュー作り、デスクワークが多い
調理師⇒調理・盛り付け、現場での作業メイン
栄養士が『栄養重視』なのに対して、調理師は『味・見た目重視』です。
この時点で、それぞれの価値観は違いますよね。
栄養だけを求めた献立では、実際に食べる人の食欲が落ちてしまう可能性があります。
味・見た目ばかりの献立では、栄養バランスに偏りが出て、食べる人の健康に影響を及ぼす可能性もあります。
だから、調理師・栄養士ともに必要不可欠で、どちらの立場が上ということはないし、栄養満点の美味しい食事を提供することを考えたら、同じ立場で仕事をした方がいいですよね。
不仲の原因
そうはいっても、職場で栄養士と調理師がうまく協力し合えなかったり、不仲になってしまうこともあります。
調理員と栄養士で対立したり、互いを嫌い合うのには原因があります。
優先順位が違う
先ほどもお話したように、栄養士は栄養バランス・調理師は味や見た目を重視します。
『レシピ通りに作ったら味が薄いから、勝手に塩分を足した』なんて言われたら、栄養士はいい気持ちしません。
また、調理員が味の調整を相談したときに、『指示通りに作ればいい』と耳を貸さなかったら、調理員は面白くないです。
可能なら味見をするなどして味の濃さを一緒に確認したり、理由があって変えられない場合、変更できない理由をきちんと伝えることで、誤解を減らすことができます。
調理師のプライド
私が働いていた職場は、ホテルの宴会部門やレストランで働いていた人も多く、調理師としてのプライドが高い人もいました。
『美味しい料理を作る』『見栄えがいい盛り付けをする』などのこだわりが出ることも。
栄養以外のこと、例えば切り方、盛り付け方、調理の方法など細かいことまで口を出されてると、イライラして仲が悪くなりかねません。
栄養士のプライド
栄養に関してはプロの知識があります。
細かい栄養バランス以外にも、予算配分、献立メニューが偏らない為の配慮など、考えるべきことはたくさんあります。
やっと決まったメニューに、あれこれ口出しされると、落ち込んだり、煩わしさを感じるかもしれません。
年齢や経験の差
ベテランの調理師からしたら、経験の浅い若い栄養士に従うのは面白くない調理師さんもいます。
また、自分の方が経験も技術もある、という自信から、栄養士さんの意見を聞いてくれないなんてことも。
栄養士と調理師の関係をよくするためには
私の職場の栄養士3人と調理師の関係について紹介します。
50代の栄養士との関係
この栄養士さんは、一番、調理員との関係が良好でした。
デスクワークの合間に、調理場に顔を出す程度だったのですが、現場に口出しや指示を出すことはありませんでした。
けれど、良いことに関しては、その場で誉め言葉を口にしていました。
また、料理の味見の時間に合わせて調理場に顔を出し、調理員と一緒に味の調整をしていました。
調理師の意見を真剣に聞いてくれるので、調理員も意見を言いやすかったです。
20代栄養士との関係
50代の栄養士の次に配属されてきました。
調理員とのコミュニケーションはあまりありませんでした。
栄養士さんの部屋から出てくることもほとんどなく、料理の味見も調理員が呼びに行くようになりました。
そのため、忙しい時には、調理員側に少しイライラが出ることも。
調理師と栄養士が仲良く働くには
お互いの専門分野に踏み込み過ぎない
栄養士も調理師も、自分の仕事にプライドがあります。
自分の専門外の仕事は、相手を信用してお任せすることで、相手の立場を立てることに繋がります。
お互いの意見を尊重する
相手の意見や要望を聞くことで、相手の気持ちを知ることもできます。
意見を聞いたうえで、取り入れられないことは、しっかり理由を伝えることで、誤解による不仲を回避できる可能性があります。
仕事のレベルを向上させる
年齢が若い場合、技術や経験値の違いから、下に見られてしまう可能性があります。
年齢の若さをカバーするために、仕事のスキルをアップさせましょう。
一人前に仕事をこなせるようになったら、一緒に仕事をする仲間として認められる可能性があります。
仕事に責任をもつ
当たり前のことですが、なかなか難しいことです。
忙しくて仕事がおろそかになって、業務に支障をきたしてしまうと、相手から信用されません。
信用できない人間の言うことなんて、聞いてもらえないですよね。
どうしても合わない時の対策
仕事を頑張ったり、コミュニケーションをとるように心がけたり・・・それでも、嫌われてしまう場合もあります。
どうしても合わない、人間関係が辛すぎる、という場合、別の会社や職種に転職するという方法があります。
転職することに迷いがあるなら、自分でゴールを決めてみるといいですよ。
例えば、
- あと数か月働いてみる
- 仕事を一人前にできるまで頑張る
など、分かりやすい目標を作って働いてみて、それでも状況が変わらなければ、辞めることを考えてみることもできますよね。
まとめ
年齢の若さのせいで対等に見てもらえない場合、勤務年数を重ねて経験値をあげると、少しずつ信頼を得やすくなります。
仕事のスキルをあげたり、相手の考えに寄り添うようにしてみても、関係が改善されないのなら、新しい職場で心機一転する必要があるかもしれません。
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