中まで火が通っていない鶏ハムを美味しく食べるなら、お湯での再加熱がオススメです。
一度沸騰させたお湯を70℃~80℃に下げてから、生焼けの鶏ハムをしばらく入れて、低温での再加熱をしてください。
電子レンジでの再加熱は、生焼けは解消できても、温度にムラが出たり、パサつき感が出るから、あんまりおすすめではできません。
サラダチキンをよく作るにおすすめなのが、スケーターの電子レンジ専用サラダチキンメーカー。
レンチン10分、蒸らし10分でジューシーなサラダチキンができるんですね。
失敗することもないし、洗い物も減るから、これ作った人はほんとすごいと思います。
鶏ハムに火が通ってない時の再加熱の方法
一度沸騰させたお湯を70℃~80℃くらいまで下げて、生っぽい状態の鶏ハムをしばらく入れておきます。
手っ取り早いのはレンジでチン。
数分の加熱で手軽に生っぽさをなくすことができますが、パサパサになる可能性があります。
塊のままで再加熱すると、ちょうどいい部分とパサつく部分に分かれてしまます。
切り分けて加熱する場合、熱が入りすぎて、あっという間にパサついてしまいます。
電子レンジで温める場合、タレをかける、違うレシピの材料として使うなど、パサつき感を減らす食べ方がおすすめですが、もはや鶏ハムではないですよね。
生焼けかどうかの見分け方
どんなピンク色が食べても大丈夫か気になりますよね。
鶏ハムの中心部がピンクだった場合に、食べられるかどうかの判断基準を紹介します。
ピンクの鶏ハムを食べても大丈夫な場合
- 竹串を指すと透明な液体が出てくる
- 中心部まで白またはほんのりピンク
- ピンクの部分がある場合、サラサラしていること
- 中心温度計を使うなら、芯温が65℃以上であること
- 竹串を使う場合、中心部に刺した竹串の先が温かいこと
などを安心基準としています。
私は確実な方法として、中心温度計を使っています。
給食の調理補助パートで知って購入したのですが、とにかくこれが便利♪
とんかつ・唐揚げなど、芯まで熱が入ってるか切って確認する必要がないし、明確な判断基準なので安心なんです。
再加熱の手間も不安もふっとびました。
低温調理するなら、料理用温度計は絶対1つあったほうがいいです。
生焼けの可能性がある場合
- 外側は白くても、中身が濃いピンク
- 切り口がヌメヌメしている
- 弾力のある柔らかさでプニュプニュ感やムニムニ感がある(生肉の触感が残っている状態)
- 鶏ハムに刺した竹串の先が冷たい
- 竹串をさした後、ピンクや赤い肉汁が出てくる
- 弾力があり、竹串がスッと刺さらない
- 中心温度計が65℃に達しない
などの状態なら、加熱が足りていないと判断します。
ピンクの鶏ハムは食べても大丈夫?
中身がピンクの鶏ハムは
- 食べても問題ない
- 食べたら問題あり
の2つのパターンがあります。
鶏肉がピンクだと生っぽいイメージですが、実は鶏ハムの調理法のせいで肉がピンク色に変化している可能性があるんですね!
鶏ハムに含まれるミオグロビンというたんぱく質が関係してきます。
↓
酸素に触れると赤色(オキシミオグロビン)に変化
※ひき肉、鶏もも肉など加工された肉は赤いですよね!
↓
60℃以上の加熱でピンク色に変化
※ステーキでいうミディアムウエルダン
↓
70℃以上の加熱で褐色(黒っぽい濃い茶色)に変化
※ステーキのウェルダンの焼き色
という風に、酸化や加熱温度の差で、お肉の色は変わってきます。
だから、60℃以上の加熱でミオグロビンがピンク色に変化した鶏ハムなら、食べても大丈夫なんです!
鶏ハムの断面がピンクだったからといって、必ずしも落ち込む必要はないんですよ。
鶏ハムからピンクの汁が出るのは半ナマ?
できあがった鶏ハムをお皿や容器に移したら、いつのまにか赤い汁が溜まっていたということがあります。
『これって血?』とドキッとしますが、血ではありません。(スーパーなどで販売されているお肉って、しっかり血抜きされています。)
実はこの赤い汁もミオグロビンによるものなんです!
低温調理は60℃程度の熱で調理するため、肉汁が褐色にならないんですね。
でも、肉や肉汁が赤くても食べられるのは、衛生面がしっかり管理されていて、調理の知識がしっかりあるプロの飲食店だからこそ。
お家で鶏ハムを作って食べる場合、透明な肉汁の方が安全です。
鶏ハムのゆで汁がピンクなのはなぜ?
鶏ハムから出た赤やピンクの肉汁が、ゆで汁に混じった可能性があります。
鶏ハムを包むラップに隙間があれば、肉汁は漏れ出します。
また、お鍋の保温性が低くて、ゆで汁の温度が早く下がってしまったため、鶏ハムの加熱が進まないと、赤い汁のままになってしまいます。
鶏ハムの断面にある赤やピンクの点はなに?
鶏ハムの白(またはピンク)の断面に、ぽつぽつと赤い点が付いていることがあります。
この赤い血のようにみえる点は、骨髄液の可能性があり、加熱しても色が変化しないため、赤いままなんです。
赤みを消そうと加熱すると、鶏ハムがパサパサになってしまうことも。
食べても問題はありませんよ。
鶏ハムの皮の裏側がピンクの理由
皮の裏側の肉は熱が通りにくい部位なので、生の可能性があります。
また、皮は部位によって厚みが違うので、火の通り方にムラができやすいんですね。
皮は剥がして鶏ハムを作るとか、皮を均一にするなどの対策がありますよ。
皮の裏側が生焼けの場合は、様子を見ながら少しずつ熱を加えて、様子を見てください。
電子レンジで作った鶏ハムがピンクなのはどうして?
ミオグロビンの変化によるピンクの場合は、問題ありません。
電子レンジの機能性や、鶏肉の大きさ、成形した形によって、熱の入り具合が変わってくるので、ムラになりやすく、生の部分が残ってしまった可能性があります。
鶏ハムの一部が生だとして、再び電子レンジで加熱すると、生の部分がちょうど良くなった時には、そのほかの部分は熱が入りすぎて、パサパサになってしまいます。
なるべく均一に熱を通すなら、まず鶏ハム自体がもっている余熱で全体を温め、冷めたら再び電子レンジで加熱。
再び余熱で鶏ハム全体に熱を巡らせる、という工程をとることで、鶏ハムの加熱ムラを減らすことができます。
低温調理機や炊飯器で作った鶏ハムがピンクなのはなぜ?
炊飯器や低温調理機は、一定の温度を保ってくれるため、加熱不足や温度のムラを減らすことができます。
生っぽい症状でなければ、低温調理によるミオグロビンの効果でピンクになっています。
生の状態が残っているなら、調理前の鶏肉の温度が低かった、鶏肉が大きかった、などにより中心部まで熱がしっかり通らなかった可能性があります。
生焼けにならない手作り鶏ハムを作るコツ
鶏肉は冷蔵庫から出しておく
いくらお湯の温度が高くても、冷蔵庫で冷えた鶏肉を入れたら、一気にお湯の温度が下がります。
調理するよりも少し前に、冷蔵庫から取り出して、胸肉の温度を常温にしましょう。
ただし、夏は傷みやすいので長時間、冷蔵庫から出しておくのはかえって危険!!
↓季節によって、冷蔵庫から出しておく時間を変えています
- 夏場はお湯に入れる15分位前で大丈夫。
- それ以外の季節なら、30分~1時間程度余裕を見ておきましょう。
保温性の高い調理器具を使う
鶏ハムは、70℃程度のお湯の中で長時間低温加熱する料理です。
保温性が低い鍋では、温度が下がるのが早い為、数時間、高い温度を保つことができず、レシピ通りの時間、加熱しても中心部が生になってしまうこともあります。
保温性を保てる鍋、低温調理機、炊飯器を使えば、長時間一定温度をキープしやすいです。
それから、炊飯器の種類によっては、袋やラップでの調理に向かないタイプもあるから、鶏ハムを作る前に、取説できちんと確認してくださいね。
鶏肉は150~200gの大きさを選ぶ
私の失敗談なのですが、欲張って大きめのムネ肉を使ったら、中心部が生焼けだったことがあります。
大きいと、熱の通り方も時間がかかるため、中心部まで熱が届きにくいんですね。
大きい鶏ハムを作るなら、小さい鶏ハム2個の方が無駄が減ります。
鶏肉の巻き方は直径に気を付ける
ボールみたいに丸く形成すると、直径が長い分、火の通りが遅くなります。
時間内に熱が通らない可能性があるから、直径は7,8㎝位がいいです。
お湯は多めに沸かそう
お水や水道代の節約を兼ねて、お湯を少な目にすると、蒸発するうちに鶏ハムの一部がお湯から顔を出してしまい、熱の通り具合にムラが出てしまいます。
蒸発分も考えて、たっぷりのお湯をはり、加熱時間終了までたっぷり鶏ハムにお湯がかぶっていられるようにしましょう。
長時間の放置はしない
低温調理時間がおわったあとも、お鍋に入れっぱなしで放置なんてことはないでしょうか。
はい、私はやってしまったことあります。
他のことで頭がいっぱいで、放置しっぱなしだったんですね。
ウィルスたちは、ぬる~い温度(30℃~40℃くらい)が快適なんですね。
だから、温度の下がったお湯の中に入れっぱなしにしていると、あっという間に菌が繁殖します。
きちんと加熱されていることを確認したら、氷水で冷まして、雑菌の繁殖を防ぎましょう。
生焼けの鶏ハムで食中毒になる原因・症状・対処法
生の鶏ハムで食中毒になる理由
私は、給食の補助調理パートとして2年近く勤務していたことがあります。
定期的に衛生管理や食中毒などの研修も受けてきました。
鶏ハムを食べて食中毒になる原因は、加熱不足による生食です!
鶏肉を調理する際に注意が必要なのは
- カンピロバクター・・・乾燥と熱に弱い
- サルモネラ菌・・・熱に弱いが乾燥に強い
の2つの菌で、しっかり加熱すれば死滅します。
給食の講習でも、肉は中心部を75℃以上で1分以上加熱することとされていて、調理用の温度計を使って、肉の中心温度が80℃以上(←安全のため)になったことを確認していました。
けれど、鶏ハムの場合は、低温調理や余熱での調理がメインのため、鶏ハムの厚みや大きさ、調理器具による保温性の違いによって、中心部までしっかり加熱されない場合がでてきてしまうんですね。
生焼けの鶏ハムで食中毒になったときの症状
うちの夫がこれまでの人生で2回、食中毒になったことがあります。
主な症状に
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
- 筋肉痛
があげられます。
どの症状がどの程度かは個人差があります。
夫は熱はなかったけれど、嘔吐以上に下痢がひどかった・・・。
寝ている暇がないほど、ひたすらトイレに駆け込んでいました。
潜伏期間は数日
- カンピロバクター→2~7日(平均2,3日)の潜伏期間
- サルモネラ菌→数時間~3日程度(平均12時間)の潜伏期間
そのほか、感染した菌の種類により、数時間~7日程度とかなりの幅があります。
ギラン・バレー症候群
まれにですが、『ギラン・バレー症候群』を発症する人もいます。
手足にしびれや麻痺の症状が現れて、呼吸や歩行に影響が出る病気なんです、
後遺症が残る可能性もあるため、怖い病気なんです。
ただ、私の身内に看護師経験者がいるのですが、数十年看護師をしていて、ギラン・バレー症候群の患者さんを診たことはない、稀な疾患です。
重症化しやすい人の特徴
病院のお医者さんの話では、
- 高齢者
- 子供
- 抵抗力の弱い人
などは重症化することもあるそうです。
危ないかな?と思ったら、家族の食卓に出すのは控えた方が安心ですね。
もし生焼けの鶏ハムを食べてしまったら
生の肉を食べてしまった場合に、それを打ち消す方法がないので、数日間様子を見つ必要があります。
潜伏期間の間は、少し不安になるのですが、普段の体調となにか変異がないか、気にかけてみましょう。
おかしいなと思ったら安静にしたり、医療機関を受診してみましょう。
鶏ハムで食中毒になった場合の対処法
とにかく水分補給
嘔吐や下痢で、体内の水分はどんどん出ていきます。
しっかり水分補給をしないと脱水症状になるので、水分を摂ることが難しければ、病院で点滴などの処置をしてもらいます。
水を飲む場合、冷えていない常温かぬるま湯を用意します。
下痢止めは飲まない
これも病院で言われたことです。
体内の悪い菌を出すために、下痢を薬で止めてはいけないです。
下痢をしている間は辛いのですが、自然に止まるのを待ちます。
病院に行くことも大切
自宅療養で治ることもありますが、悪化することもおおいにあります。
もし食中毒になったら、病院で診てもらうことも大切です。
下痢が続いている、尿が出ない、意識がもうろうとする、などの症状が出たら、診察を受けることを考えましょう。
まとめ
鶏ハムがピンクのときや、赤い汁・ピンクの汁が出るときは、条件によっては食べても大丈夫。
でも明確な判断基準がないので、少しでも不安なら再加熱するのが安心して食べられます。
再加熱は、お湯に入れて低温調理しましょう。
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