井戸水を沸かしたお風呂に入るのは危険?
井戸水をお風呂に使うことは可能
水質検査を受けて、生活用水として使うのが可能と判断されれば、井戸水をお風呂のお湯に利用することは可能です。
私の祖母の家では、井戸水をお風呂や洗濯・洗顔・歯磨きなどに利用していました。
厚生労働省が定めた水質基準で、一般細菌は検水1ml中につき100個以下と決まっています。
100個を超えてしまうと、飲料用としての利用は難しいのですが、お風呂の水に使えないということではありません。
同じく、厚生労働省が定める遊泳用プールの衛生基準では、一般細菌の数は検水1ml中につき200個以下ならOKと定められています。
(※もちろん、他にも大腸菌が検出されないことなど、クリアすべき基準があるので注意です)
井戸水が危険な場合もある
一般細菌が検出されるということは、その他の大腸菌など病原性の細菌が発生する可能性があります。
病原性の菌を含んだ井戸水が口の中に入れば、病気になる確率があがります。
井戸水をお風呂に使うなら、水質検査を受けて、お風呂のお湯に使えるかきちんと確認したほうがいいです。
水質検査を受けよう
井戸水が生活用水に使えるかどうか、水質検査をすれば分かります。
私が住んでいる県では、1万円かからない位で、13項目の水質検査をしてもらえます。
また、民間の検査機関なら6000円程度~、水質検査をお願いできます。
どちらも、専門のキットに井戸水を汲むだけなので、とても簡単ですし、検査結果が分かれば安心して、生活用水に使うことができます。
一度、水質調査をクリアしても、その後に周りの環境が変わることで、水質が変わることもあります。
お風呂に井戸水を使う場合は、身体への影響を考えて、定期的に水質調査を受けるとよいです。
井戸水は汚れや臭いの原因になる?
入浴後の井戸水は一般細菌が増えやすい
井戸水をお風呂のお湯に使うと、浴槽が汚れたり匂いを発する原因になる可能性があります。
井戸水は水道水と違い、なんの処理もされていない天然の地下水です。
お風呂に人間が入浴すると、お湯の中の一般細菌の数は増えていきます。
水道水は処理がされているため、それでも一般細菌の急激な増殖はありません。
けれど、井戸水はどんどん一般細菌が増えて、翌日は1000倍になるとも言われています。
一般細菌が大量に増えたお風呂のお湯は、匂いやぬるつきの原因になります。
追い焚き機能が汚れを増やす
追い焚きは、すでに浴槽に張られたお湯を給湯設備内で循環させて温める機能です。
一般細菌が繁殖した井戸水を、給湯設備に取り込むため、配管内に雑菌増え汚れが蓄積されます。
配管に溜まった汚れがお湯を汚す
長い間に溜まった配管の汚れが、湯張りの時に剥がれて出てくることがあります。
お風呂に入ろうとフタをあけたら、浴槽に黒いゴミのようなものが浮かんでいたら、配管が汚れている可能性があります。
業者にクリーニングを頼むと、お金がかかります。
井戸水に含まれる成分がお風呂の設備に付着
井戸水の成分でとくに気を付けてほしいのが、豊富に含まれる鉄分です。
鉄分は、給湯設備の内部に蓄積していき、部品の劣化を早めます。
また、浴槽が赤茶っぽいサビた色に変色します。
井戸水のお風呂のメリット
水道代が多少安くなる
お風呂に使う分の水道量が減るので、その分、水道料金も安くなります。
けれど、他の用途(トイレや飲み水)などに水道を使う場合は、基本料金などがかかるので、年間に換算しても、すごく安くなるというわけではないです。
断水などでもお風呂に入れる
済んでいる地域が断水になっても、お風呂に入ることができるし、トイレに使うこともできるので、生活用水に困りません。
災害時の生活用水に利用できる
災害時、ガスが止まってる場合、お風呂を沸かすことは難しいでしょう。
でも、万が一のときでもトイレなどの生活用水に利用できるため、生活への影響を減らすことができます。
水温が一定
井戸水は水道水と比べると、地表から深い場所を流れているため、外気の影響を受けにくいんです。
だから、1年中ほぼ一定の水温を保てます。
冬は温かいので、お風呂を沸かすのに時間やガス代の節約になります。
匂いなどが気にならない
無臭の井戸水に比べて、水道水のカルキ臭などが気になる人もいます。
井戸水は人工的な処理が施されていないので、水道水の独特な匂いを気にせずに、入浴することができます。
井戸水のお風呂のデメリット
追い焚きに向かない
先ほども説明したとおり、人が入浴した後の井戸水は一般細菌の数がとても増えています。
細菌が繁殖した水を配管内に入れることで、配管内の汚れに繋がります。
配管のクリーニングは、お金と時間がかかります(汚れの程度にもよる)
翌日は入浴できない
夜入ったお湯をそのままにして、翌朝入る場合ですが。
水道水の場合、翌日でもあまり匂いなど気にせず、入浴することができます。
井戸水の場合、一般細菌の増加により、なんとなくお湯がぬるぬるしています。
また、なんともいえない臭い匂いがします。
祖母は、もったいないからと、同じお湯を翌日も使うこともあったのですが、入浴剤でごまかしていました(苦笑)
祖母の家族も私も、それで体調を崩したことはありません。
けれど、匂いはごまかせたとしても、細菌がいる事実は変わらない為、大量不良、免疫力が低下している時、外傷があるときなどは、入らない方がいいです。
浴槽や設備の変色や汚れが気になる
こちらも先ほど説明したように、水道水に含まれる鉄分によって、浴槽や入浴設備に色がついて落ちなくなってしまうことがあります。
一度変色してしまうと、落ちなくなるし、設備の劣化にもつながる可能性があります。
故障の原因になる
井戸水にミネラル分が豊富に含まれていると、配管に詰まって給湯器を傷める・熱効率が悪くなる・故障などの可能性があります。
停電時に使えない場合がある
電気式の汲み上げポンプを使用する場合、停電になると使えなくなってしまいます。
停電に備えて、手動ポンプも設置しておくと、いざというときに困らないです。
電動ポンプの電気代がかかる
電動式の汲み上げポンプを使えば、電気代がかかります。
節約を考えて井戸水を利用するなら、水道水と電動ポンプの電気代を一度比較してみるといいですよ。
水質や水量が変わることもある
周辺の環境が変わり、水質に有害物質などの悪影響を及ぼすこともあります。
浅井戸の場合、お風呂に使えるだけの十分な水量を確保できないこともあります。
また、井戸水が枯れてしまう場合もあります。
赤ちゃんへの影響はある?
井戸水の中には、赤ちゃんに影響を与える細菌がいる場合があります。
ボツリヌス菌はハチミツでも有名ですよね。
日本国内では、井戸水が原因で乳児ボツリヌス症にかかった赤ちゃんの症例がいくつか出ています。
このボツリヌス菌は、120℃で4分間以上、または100℃で6時間以上の加熱をしないと死滅しません。
沐浴程度の温かさではなんの影響もないし、沐浴に使っている井戸水が口の中にはいらないとも限りません。
赤ちゃんの沐浴や入浴に井戸水を使うのはダメではないけれど、安全を保障できるものではないです。
まとめ
掘ったばかりの井戸水は、水質が安定していないため、規定より悪い数値が出ることもあります。
その場合、しばらく時間をおいてから再調査することもできますよ。
また、井戸水に異常を感じたら、使用をやめて水質調査を受けましょう。
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