マメ科のルピナスは移植に弱い植物です。
一度植え付けたら植えっぱなしの方が長く楽しむことができます。
鉢植え、地植えどちらも植え替えはせずに楽しみましょう。
この記事では、ルピナスが植えっぱなしで良い理由やメリット、花後の管理方法について解説します。
ルピナスは植えっぱなしがいい
ルピナスが植え替えに弱い理由
理由その1
ルピナスはマメ科の植物です。
マメ科の植物の多くは『直根性』という性質をもっており、根っこが真っすぐに深く伸びるんですね。
掘り返す際に、太くて長い根っこ(主根といいます)が傷つくと、植え替えても根付かずに枯れてしまうことが多いんです。
理由その2
マメ科植物は根粒菌が根っこに付着して、共生しながら生きています。
根粒菌のおかげで、マメ科植物は必要な窒素を得ることができるんです。
移植によって根粒菌がなくなると、ルピナスの生育にも影響が出てしまうんです。
ルピナスが植えっぱなしで楽しめるポイント
ルピナスを植えっぱなしにすることで、いいこともあるんですね。
- ルピナスの根粒菌の働きにより、チッソが固定され、土壌の栄養が豊かになる
- 温暖な地域では一年草扱いですが、こぼれ種で新しい芽が発芽する
ルピナス自身で土の栄養を豊富にしてくれるので、特別に肥料も必要なく、育ってくれるんですね。
また、こぼれ種から新しい芽が出ることで、同じ場所に翌年もきれいな花を咲かせてくれます。
鉢植えなら植え替えできる可能性はある
根っこを傷つけなければ、移植や植え替えが成功する可能性もあります。
鉢植えのルピナスは、鉢内の土ごと植え替えましょう。
こうすることで、主根に傷がつく可能性が低くなります。
地植えのルピナスの植え替えは難しい
地植えのルピナスの掘り起こしはちょっと難しいです。
というのも、ルピナスの根は、地中深くまで伸び、数十センチ以上の長さになると言われているからです。
どこまで伸びているか分からない状態での掘り返しは、根っこを傷つける可能性が大きいので、あまりおすすめはできません。
ルピナスの花が終わったらどうする?
ルピナスの花が咲き終わったら、剪定、夏越し、種取り・種まきがあります。
完全に花が咲き終わった後は、夏越しできるかどうかが重要です。
暖かい地域では、夏越しが難しい為、一年草扱いになることも。
夏越しできずに枯れてしまった場合、秋口に種まきして育てるか、3月に苗植えから再び育て始めるかになります。
花が枯れたら切り取ろう
ルピナスの花が全体的に咲き終わったら、花茎の付け根で切り取ります。
切り口の脇から新しい芽が伸びて、二番花を楽しむことができますよ。
一番花を切り取らなくても、脇芽は伸びてくることはあるんですけれどね。
大きく開花できないこともあるため、一番花が枯れ始めたら花茎ごと切り取るのがいいです。
もし種取りをしたいなら、二番花を残して種を取るといいですよ。
種取りをするなら、二番花が咲き終わった後、花がらを放置して種ができるのを待ちましょう。
種取りとこぼれ種
種の取り方
花茎をそのままにしておくと、花がらに『さや』ができます。
ルピナスはマメ科の植物だから、種もさやえんどうみたいな袋の中にできるんです。
鞘(サヤ)が完全に茶色く枯れてきたら、茎ごと切り取って、鞘を収穫します。
収穫するのが遅れると、鞘が弾けて、中の種が地面にこぼれてしまいます。
乾燥しているサヤは、爪を入れれば簡単にパンと弾けてくれるので、中の種も取り出しやすいですよ。
種の保管方法
風通しがよい日かけで、取り出した種をよく乾燥させます。
乾燥したら、乾燥材と一緒に密閉容器に入れて、種まきの時期まで保管します。
種まきの時期
ルピナスの種まき時期は、2種類あります。
- 一年草タイプなら9月。
- 寒冷地で多年草タイプを育てるなら、6月頃(初夏)に種まきをします。
ルピナスにとって最適な発芽気温は、20℃前後なことが上記の植える時期と関係しています。
多年生タイプを秋に撒くと、開花が翌々年になることもあります。
種の蒔き方
マメ科のルピナスの種は、すっごい固くて発芽しづらいため、一晩水に浸けて柔らかくしてあげます(吸水処理と言います)。
また、ルピナスの種は光を嫌うため(嫌光性)、日光に当たると発芽しない確率が高いです。
土に埋める時は、種の2-3倍深めに穴を掘って埋めましょう。
日陰でたっぷり水をやって放っておけば、数日で発芽してきます。
ルピナスはこぼれ種でも育つ
ルピナスの種は硬くて丈夫なため、こぼれ種でも発芽します。
光が当たると発芽しないんじゃないの?って思うかもしれませんが。
雨や風など自然の影響で、こぼれ種は自然と土に埋もれたりします。
また、雑草などの陰で日に当たらずに済む場合もあります。
水、温度、酸素の3つが充分にあり、発芽しやすい環境が揃えば発芽します。
こぼれ種から育てる場合、プランターに種をこぼれさせ、発芽したら間引きながら育てるという方法もありますよ。
ルピナスは多年草?枯れたらどうする?
ルピナスは宿根草だけど、暑さに弱いため、日本でも温暖な地域では一年草扱いになります。
寒さには強い植物なので、暑い夏を無事に越すことができれば、翌年もきれいな開花をみることができますよ。
葉っぱさえ残しておけば、植えっぱなしで充分に育ちますよ。
ルピナスは直毛根で植え替えを嫌う植物なので、植えっぱなしの方がいいくらいです。
もしルピナスが夏の暑さに耐えきれず、枯れてしまったなら、お住いの環境では一年草と思い、育てるのがいいかと思います。
夏越し対策
ルピナスは25℃以上の暑さで、生長がとまってしまう植物です。
できるだけ涼しい場所のほうが、夏越しできる可能性も高くなります。
- 風通しがよい涼しい場所で育てる
- 葉が黄色くなったら取り除く
- 過湿はよくないので、乾燥気味に育てる
などで、高温期の蒸れや過湿から守ってあげるようにします。
もし地植えで育てている場合、日よけ対策等できるだけ木陰を作り、日当たりをカットしてみてください。
園芸用の日除けグッズなど、結構ありますよ。
もし暑い夏を乗り切ることができれば、丈夫な株になります。
まとめ
ルピナスは植え替えや移植に向かないので、植えっぱなしで楽しみましょう。
どうしても植え替え等が必要な場合は、根っこを傷つけないように気をつけてください。
ルピナスを植えっぱなしにすることで、毎年開花を楽しむこともできますよ。
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